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2024年 読書記録
●ダリア・ミッチェル博士の発見と異変 世界から数十億人が消えた日/キース・トーマス 【1月4日】
2024年はここから。ドキュメンタリーっぽく構成されたSF、面白かった。「参考文献」まで付記されているのが秀逸。裏焼きみたいな表紙も好きだ。
●思考する言語(下) 「ことばの意味」から人間性に迫る/スティーブン・ピンカー 【1月8日】
●私たちはいつから「孤独」になったのか/フェイ・バウンド・アルバーティ 【1月25日】
昨秋からちまちま読んでた「思考する言語」上中下ようやく読了。下巻は特に、言語が思考に与える影響というより、人の思考がどう言語に反映して行ったか、という話で期待した理論のベクトルが逆だった。
「孤独」本の方が、予想外に、言葉によって「孤独」という感情が生まれてきた背景が解説されていて興味深い。「感情は語られることにより初めて存在するようになる。」
●椰子・椰子/川上 弘美 【1月20日】
●ピュウ/キャサリン・レイシー 【1月28日】
●遠きにありて、ウルは遅れるだろう/ペ・スア 【2月15日】
「アカシアは花咲く」を思い出す。難解じゃないんだけど難解、どう受け止めればいいのか。遠い水平線上に浮かぶ客船、砂漠のコヨーテ、その傍で緑の布をかぶって息を潜める人、赤い靴下、等々…3つの中篇で繋がるイメージが強く印象に残る。早くも今年ベストの予感。
●見えない都市/イタロ・カルヴィーノ 【2月28日】
●その昔、N市では/マリー・ルイーゼ・カシュニッツ【3月4日】
●対岸/フリオ・コルタサル【3月10日】
●ティンブクトゥ/ポール・オースター【3月14日】
「犬好きに刺さる」とかいう推薦文をどこかで見て、猫好きだけど読んでみたら辛すぎた。「刺さる」の意味はキツさが突き刺さって痛いの意味だったのか? 読むほどにいろいろと辛かった。
そして表紙カバーの写真のわんこは、主人公とイメージが違いすぎ。こんな小型犬ぽいのじゃなく、もっと「アンジュール」みたいなわんこだと思うぞ。
●ここはすべての夜明けまえ/間宮 改衣【3月15日】
●音の糸/堀江 敏幸【3月25日】
●通り過ぎゆく者/コーマック・マッカーシー【4月5日】
コーマック・マッカーシーの遺作。二部作の一部。この人の書く主人公はこれでもかってくらいに孤独だけどその中でもダントツで孤独な主人公。ミステリっぽい物語でありながら終着しなかった。二部で回収されるのか?(…と思ってたのに回収されなかった。)
●愛のゆくえ/リチャード・ブローティガン【4月15日】
マッカーシーを続けて読む気にならず、ブローティガンをはさむ。季節の変わり目にはこの文体読みたくなる。「誰かが自作の本を預けにくる図書館」の住み込み図書館員てだけで良い。
●言語哲学がはじまる/野矢 茂樹【4月30日】
言葉の意味とか概念とかを突き詰めて考えると哲学になるのだな。分かりやすい言葉で書かれているのに内容はなかなかに難解で理解が及ばない部分も多数ありつつも、随分長いこと気になっている「誰かの赤は他の誰かの赤とは違う」問題に対する答えもうっすら見えた気がした。うっすら。
●ステラ・マリス/コーマック・マッカーシー【5月9日】
二部作の二部、一部で謎だった部分は謎のままだった。「通り過ぎゆく者」の主人公である兄とはまた違う妹の孤独。ステラ・マリス精神病院の精神科医と妹である主人公との対話、難解ではあるけどところどころの言葉が刺さってくる。
●いっせいになにかがはじまる予感だけがする/のもとしゅうへい【5月25日】
●鯨オーケストラ/吉田 篤弘【5月28日】
●かたみ歌/朱川 湊人【6月2日】
●なんでもない一日/シャーリイ・ジャクスン【6月19日】
●カフカ断片集/フランツ・カフカ【6月25日】
●夢宮殿/イスマイル・カダレ【6月30日】
●いちばんここに似合う人/ミランダ・ジュライ【7月5日】
クセつよでイタイ人ばかり出てきて読んでいて辛いんだけど辛いのはたぶん自分の内側に同じものがあるからだろう。
●別れを告げない/ハン・ガン【7月15日】
ミランダ・ジュライに続いて辛いわ痛いわ更に寒いわ…な物語を読んでしまった。相変わらずハン・ガンの文章は良い。
●追憶の彼女 警視庁文書捜査官/麻見 和史【7月17日】
今ここ、に戻るための読書。
●幻影の書/ポール・オースター【8月10日】
●フォロンを追いかけて Book1/ジャン=ミッシェル・フォロン【8月14日】
●日本扇の謎/有栖川有栖【8月16日】
●オリーヴ・キタリッジの生活/エリザベス・ストラウト【8月31日】
●とるにたらないちいさないきちがい/アントニオ・タブッキ【9月10日】
●偽りの貌 警視庁監察ファイル/伊兼 源太郎【9月12日】
●ふたつの人生/ウィリアム・トレヴァー【9月18日】